そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

ここにいるよ ― nano.RIPE TOUR 2017 「せいなるたねび」 @渋谷

「自分が"好調"な今、nano.RIPEに行く必要はないかもしれない」
日程を見た時こんなことを思った。
一昨年の夏の金沢以来、落ち込んだり迷ったりネガティブな時にちょうどnano.RIPEがライブやってて「一緒に落ち込んだり迷ったり」してくれていた。今はそういうことなくやたら楽しい時期だから、nano.RIPEの力を借りなくてもいいかなって思った。
単純な見たさ聴きたさもさることながら、「新体制を見ておこう」「ポジティブな俺の姿をnano.RIPEに見せてあげよう(なんてな)」とか、テーマらしいものが見えてきたので行ってきた。

2週間くらい前にチケットを確保したのでD番だったけど、渋谷WWWなので容易に最前ブロックへ。3列目で中央やや上手寄り、nano.RIPEを見るお馴染みのポジション。
このポジションから見る景色が、今年からガラリと変わるわけだ。ベースとドラムが鈴木"choku"直也さんと高橋宏貴さんになった。何が見えて聞こえて感じられるか。


きみコさんが言っていた通り「nano.RIPEnano.RIPEだ」ということも感じたし、その一方で「去年までのnano.RIPEではないんだな」ってことも思った。耳で違いはわからないけど、演奏している人が違うっていうのは受ける印象が変わってくるものだった。
これまで見てきた人たちへの郷愁ってのは当然のように出てきた。『ノクチルカ』のイントロでベース前に殺到した時も、『ルミナリー』サビのドラムに視線を注いだ時も。でも受け容れてないわけじゃなくて、直也さんも高橋さんもいい味を出してくれてるなと思った。



きみコさんが「このツアーで初めてこの歌を、自分のためじゃなくて聞いてくれる人のために歌えるようになった」と言って歌い始めたのが『ハロー』だった。
変な話、「いつも大事な何かを教えてくれる『ハロー』で元気な俺をきみコさんにお届けするよ!」みたいなわけのわからないモチベーションがあったんだよね。
2月の下北沢に行ってなかったから、最後にnano.RIPEというかきみコさんを見たのが昨年末のReNYで。二人のラストに悔しさを滲ませてながら言葉を紡いでいた姿だった。
そんなアナタには今の絶好調な俺だよね!!!と思ってたら、新体制で力強くやっているようで。
出しゃばる必要なかったな(そもそも出しゃばる方法はないけどw)と小っ恥ずかしさを感じつつ、これまでの"内向き"メインの『ハロー』で十二分に心が動かされてたのにこれからもっとすごいことなるなと思いつつ。じゃあきみコさんはこっちに投げかけてくれるし、俺も絶好調なら受け取るだけじゃなくてしっかり投げ返そうよって感じで、これまででいちばん楽しい『ハロー』になった!

会いたくなったらここへおいで
泣けなくなったらここへおいで
道に迷ったらそこにいてよ
風を頼りに会いにいくよ
nano.RIPE 『ハロー』)

絶好調なら絶好調なりに特別な感情を抱けるんだなってことがわかったんで、nano.RIPEがライブやるなら好不調関係なく行きゃいいんだよな。うん。

『ディア』でフロアタム叩きながら楽しそうに歌うきみコさん見てたら涙が出てたのはなんだったんだろうな。
…ってことで『ディア』を改めて聴く。。。。まだまだ一緒に遊べるってことが嬉しくなったってところかな。

nano.RIPEの楽しさは変わらず、ステージ上とコチラの変わったところも良い感じにスイングできてるみたいだし、フロアは相変わらず程よく圧がかかるし、ホーム感すら出てきたかなそろそろ。

イャァォイャァォも好きのうち ー Juice=Juice LIVE AROUND 2017 ~NEXT ONE SPECIAL~@中野

席が良すぎた。
今後は一桁列じゃなきゃここをくださいって思うくらい、なんたる居心地の良さ。

中野サンプラザホールと俺って相性が良いというか、振り返ってみると「今日すげぇな!」ってなったライブが結構あるようにも思う。
アウトプット面での充実も、ものすっごいインプットに引っ張られての“ゾーンに入る”感覚からのやつ。今日もそんな感じだった。



ホールツアーになって、ライブハウスではセットリストに入ってなかったり行った公演でやってなかったりした曲が歌われた。
これがまず嬉しいんだけど、そのラインナップたるや、「これ歌ってくれた!!!」ってものばかりで。まぁ、Juice=Juiceの曲はほぼ全て好きなんだけども。

今年に入ってアルバム買ってMV集を見まくっていたわけだけど、見ながら「あぁこれやりたい」って思ってたやつがだいたいできたんじゃないかな。
アホみたいにクラップしまくったり、さ乱れたり、アレコレしたり、めちゃくちゃ楽しかった。
名古屋でもう一回これがあるのいいね。楽しいね!

輪っかに入る ― ARIA The AVVENIRE~海と音と語りの調律~

えーっとですね。
ARIA』のイベントって今日が初めてだったんですね。


そもそも、俺ってアニメを見ないでアニソンライブ行けるタイプの人間でして。
そんな俺がハードディスクレコーダーを新調した時期に「とりあえずアニメ録画して見てみよう」って見始めたクールに『たまゆら~hitotose~』があって。いっぺんに好きになったんすよ。
んで、『たまゆら』から入るとどうしても「『ARIA』ってのがあってね…」ってことになるじゃないですか。なんかそれがすごく鬱陶しかったんですよ。
自分が好きになった作品の"原典"があるって事実を認めたくなかったり、「それが好きならこれも好きなはず」って言われてるのが嫌だったりしたんです。かれこれ5年以上は意固地になっていた。


それが、昨年夏にふとしたきっかけでU-NEXTに入って、見放題のラインナップに『ARIA』があって、「なんか流れがきた気がする」って思えて見始めたら、まぁ当然のように馴染んでってか見てて幸せで。
「この5年の意地っ張りはなんだったんだ」って思う一方で、「5年の"溜め"のおかげで今このタイミングで楽しくなれてる」と過去の自分をも許してあげられるような、そんな気持ちにしてくれた。


そこから今春、俺の中の予算委員会が承認してBlu-rayBOXを3つ一気に購入して、そしたらこのイベントが開催ってなって、そりゃまぁ行くってなりますよね。
友人がうまいことやってくれて、夜の部のとんでもなく良い席に座れた。




長い期間をかけて作り上げてきた"ARIAの空気感"っていうのは確かにあった。そこにすっと入り込めた自分がいた。
そのことがとても嬉しくて、そう感じれた時点で今日はもう満足で決まりだなって思えた。
「AVVENIRE」は今週に一気に見ていったんだけど、そこで灯里が「呼ばれたような気がしたんです」って言っていて、それがもう「俺めっちゃそういうこと言いながらオタクやってるわ!!!」って変に共感できてしまった。
ARIAを見る"流れ"もそうだし、たまゆらに惹かれていったのもそうだし、偶然かつ必然みたいなものがあると一気に動き出すんだよな俺って。ごめんな、オススメされてもなかなか動かないんだ。




大原さやかさんの朗読って去年も見てるんだけど、台本を持つ手が震えながら涙ぐみながらアリシアさんになっているのがとてもとても印象的だった。「他とは違う」って言っちゃうと乱暴かもしれないんだけど、いやまぁ、他とは違う思い入れの強さがあるんだと感じた。
そんな様子で紡いでいくセリフとてもとても響いて、大原さんからなのかアリシアさんからなのかもはやわからないけど、もらい泣きしちゃうよね。そんな直後にARIAカフェの告知で笑わせてくれるんだから、もうめちゃくちゃだよw


まだ終わらないんだね、ARIA。すごいね、何年やってるんだろう。
ARIAが作った繋がりの輪っかに今日こうして入っていったわけだけど、これからできていくものに関わっていくのが楽しみだなって思えている。
今日の会場にいたなかで、俺が最後発かもしれない。そんな俺も受け容れてくれていると信じられるこの場に、また入っていきたい。


演奏が素晴らしかったこととか、
"オレンジプラネット"のこととか、
目の前にいた皆川純子さんのこととか、
久々に見た広橋涼さんとか中原麻衣さんのこととか、
「ってかよくよく見てみるとずっと声を聴いてきた人たちじゃないか」ってラインナップのこととか、
挙げれキリがないんだど、もうエネルギー切れ。追記、したいなぁ。


今日は、とてもとても良い日だったよ。