そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

それぞれの「特別」をつくる ―LiSA札幌およびツアー総括

ツアーファイナルはZepp Sapporo
個人的には今ツアー初のライブハウス。やりたい放題やってきたホールよりは、周りを気にかける必要があるけど周りと関わりあえる楽しさもある。
ステージ上を堪能する本質は変わらない。

950くらいの番号でスタート位置は2~3柵の間。最後はCO-Kさんと遊ぼうってことで上手。
セットはホールとちょっと違った。つっても3曲かな。スタンディングらしく遊べるようにするのに3曲で良いくらい、今ツアーのセットは強い。
圧縮で生じるスペースを使いたい人がちょうど周りに数人いたようで、互いのスペースを尊重するようなポジショニングが取れた。跳ぶのも踊るのも自在な前半中盤。
『Doctor』→『She』→『L.Miranic』の大好きな流れ。ホールでしかできない暴れ方を確立しすぎたかな、スタンディングの環境ではちょっと大人しかったかな。まぁ180%に対する115%くらいの大人しさだけどw
後半、『コズミックジェットコースター』でちょっと前に寄ったら最前~2柵の間にあるじゃないですか、"キッズエリア"。
「あるならもっと早く言ってよ!」って感じでウズウズして、『Psychedelic Drive』で突入。オールスタンディングの醍醐味これだよねってグチャグチャに遊んだった!
もっと積極的に前進してキッズエリア行けば良かったかなとも思ったけど、体力というより集中力不足というか飽きっぽいから、いちばん狂乱する『Psychedelic Drive』のタイミングで十分だったとも思う。
結果、最後は4列目くらいにいて、最前列の香川に次ぐ近さで、LiSAもCO-Kさんもいくちゃんもゆーこーさんもどんどん来てくれて、はしゃいだね。楽しかった。

ホールに慣れきってたけど、ライブハウスはライブハウスで楽しい。LiSAのライブが楽しい。



16公演中7公演に行った。過去の経験から考えると、5公演目くらいで満足度が飽和して散漫になるんだけど、今回のツアーは最後まで余すことなく楽しみきった。
セットリストとかLiSAの歌のクオリティとか根本的な部分への満足度が高かった。ホールとライブハウスの3曲の違い以外は完全固定でも、何度でも行きたくなるライブ。

そして、一つ一つを「特別なライブにしよう」としていて、その仕向け方が上手かったかな。誰だってきっとこういう姿勢で臨んでいるんだろうけど。
広島で特に強く感じたのは、「今日なんかすごく楽しいんだけど」っていうステージ上の興奮。それは客席の熱さにあてられたようだったけど、見てるこっちからすれば「そっちがスゴいからだよ」って。
この自然発生的な相互作用、グルーヴ感といったところが、このツアーの異様なまでの高揚感を作り出していたように思う。
そして、それぞれの地で違ったキーワードで客席をつかんでいったから、各公演で新鮮に楽しめた。

「プロモーターに『岡山の方が客入るよ』って言われたけど、広島でしっかり満員になったよ!」(広島)
「三木町文化交流プラザメタホール(あんまり言えてなかったw)であまりライブとかやられてないみたいで、ここでLiSAを三木町の歴史に刻みたい」(香川)
「お米がおいしくて大好きなレルヒさんのいる新潟、去年よりも3倍以上大きい会場でホール公演のラスト!」(新潟)
Zepp Sapporoを満員にするのは、東京でいうと日本武道館でやるくらいのチャレンジ」(北海道)

一行でまとめると新潟がギャグっぽいけど、ホール公演の総括とかかなり入っててちょっとしたファイナル感あったんよ。
そして札幌のこの言葉は客のテンションかなり上がった、既に元気だったのに更にヒートアップしたね。
「今日しかできないライブを」って言葉を、もう一つ突き詰めた言葉を考えて発していた。

特定の客に向けて声をかけることも多かった。
「一番後ろの端っこの、君」
「2階のいちばん前の、おそろいのネクタイ(たぶん学校の制服)の君たち」
などなど。「うしろも見えてるよ!」のもう一歩先。
香川では、「三木町文化交流プラザメタホール」がなかなか言えないので、最前列の人に振り向いてもらってTシャツの背中を何度も読んでみたり、三木町が地元の人たちに積極的に話しかけたり。
指された人はもちろん強い思い出になるだろうし、周りも印象に残ることだろう。

会場全体へ、また個々へのアプローチでLiSAの輪に引き込む。距離感を縮めて、曲への没入を強くしていった。
そしてどの会場も「帰ってきた、そしてまた帰ってくる"ホーム"」にしていく。「ここにしかない、特別」を全国に広げていった。
テーマのない何となくの地方公演ってどうしても出てくると思ってるけど、そういうのをなくしていこうっていう志向が見て取れた。だからどこの地で待っていても特別な公演だし、どこへ遊びに行っても特別な公演になる。



あと、各公演での感想でよく書いていたけど、新しいバンド・にゅーめんずの関係性が公演を重ねるごとに強まっていったのも大きい。
ツアーが進むにつれてステージ上がどんどん「楽しくなっちゃってる」のは、こちらから見ても明らかだった。そうすれば見てるこっちもさらに楽しくなるよねと。
約3ヶ月、16本のライブでLiSAを含めたバンドとして、劇的に向上していったツアーだった。



ツアーは終わり、8月はフェスの期間。10月の追加公演沖縄を経て、11月に横浜アリーナに至る。
このツアーではなかった大きな会場で、LiSAは、そしてにゅーめんずも含めたこのバンドは、どんなパフォーマンスをしてくれるだろうか。どれほどわくわくさせてくれるだろうか。
ツアーの終わった寂しさなんて感じられない。次が楽しみで仕方がない。




んー、ちょっと持ち上げすぎたかなw
でもまぁ、LiSAのこと好きみたいなんで、俺。