そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

ドーム公演振り返りインタビュー

12月4日の「NANA MIZUKI LIVE CASTLE 2011」にて、水樹奈々界隈からの退団を表明したサイドアタッカー(以下サイド)氏にインタビューを敢行した。「全てやりつくした」という彼の胸中に迫る。




○お疲れ様でした。今の心境をお願いします
12月4日で全ての力を、想いを出しきったというところかな。スッキリしてるよ。


○今回のLIVEをもって退団を決意されました
もともと、ドーム公演以後に奈々ちゃん現場のことを見直すつもりだったんだ。僕にとって「東京ドームで水樹奈々を」っていうのは人生の目標といっても良いくらいの願い、夢、だったからね。これが達成された後のことは全くもって未定だった。想像もできなかったしね。そして、12月4日の公演を終えるにあたって、「もう十二分にやったな」って気持ちになった。


○退団について深くうかがう前に、公演そのものについての感想を
普通、だね。これは何も悪く言うつもりはなくて、「東京ドームですら普通にLIVEできる」ことに驚いたし凄く感心してるんだよ。セットリストも特別な編成というわけでもなく、メモリアルな感じはなかったでしょ?そういう感慨を抜いても、東京ドームという巨大な箱に負けなかった。「水樹奈々はこのクラスのアーティストなんだ」って見せつける内容だったよ。


○サイドさん自身は「メモリアルな内容」を願っていましたが
自分がキャリアに終止符をうつかもしれない公演だから当然だと思う。「最後にあの曲を聴きたい」って願いたくなるじゃない?結局、僕の願った曲は歌われなかったけど、この10年の奈々ちゃんへの想いを昇華させられた素晴らしい公演になったよ。


○サイドさんの願った曲は?
「Brilliant Star」だね。


○あー・・・これは完全にTシャツのフェイントにやられた格好で
そうなんだ、TシャツAのバックプリントにあったストーリーに登場してるんだよ「Brilliant Star」の文字がね。期待していた、でも残念ながら歌われなかった。どころかバラード系の楽曲を完全に排除した『アツいLIVE』ってやつだった。


○ライブの構成についてはどうでしたか
これが今の水樹奈々に求められているってことなのかな。しんみりした気分に浸るのはお呼びでない、とにかく元気をくれっていう。でも予想の範囲内だったし、途中から気持ちを切り替えてアクティブにやったよ。それに、感慨なんて自然と込み上げてきたしね。


○ご自身の世界に入り込んだ、と。
ははは(笑)そういうことかもしれない。そしてこのズレ、僕と水樹奈々や多くのファンとの関心のズレ、が退団を決めた要因の一つかもしれない。ここにいても僕の欲しいものは上積みできない、って感じることがあった。


QUEEN'S NIGHTからセットリストを振り返ってみてください
一発目の「Brave Phoenix」には驚いたね。こんな切り口で入っていくんだって、意外も意外だった。西武ドームでも、アルバムタイアップなのに全く関係ない「ミラクル☆フライト」から入ったし、奈々ちゃんの手法として確立しそうだ。
意外でいえば、「POP MASTER」を入れるタイミングかな。一発目かもしくは終盤かと思ったら、中盤に単発とはね。LIVE CASTLEの「テーマ曲」くらいに位置づけられてるかなと考えてたから、完全にひっくり返されたよ。


○予想を裏切られたと。「TRANSMIGRATION」については?序盤のうちに、オッサン連中に「火入れ」してくれたね。僕ももちろん火がついた。あの曲はオッサンへの「来いや」ってメッセージだったんじゃないかな。


○本編のラストは『ETERNAL BLAZE』でした
あの光景だよ。MCでほとんど全員がわかってたと思うけど、曲の前にUOに持ち替えて、始まってまず一本。そしてイントロの上げるところでもう一本。この時の客席の明るさったらなかったね。あれを見られたのは満足だ。


○東京ドームがカッと明るくなりましたもんね。
ステージでもノリノリで火を焚きまくってたし、あそこで心が燃えないわけがない。今までで1番アゲた『ETERNAL BLAZE』だった。


○ダブルアンコールについて
『あの日夢見た願い』は、ベタだけど「昔からの想いを持ってきたよ!」って表現するには最高だよね。最後にコレを歌ってくれた時点で、僕の気持ちも上手く昇華してくれたって思えたよ。満たされた気分だった。


○続いてはKINGについて。
んー、難しいね。曲・曲順を積極的に入れ替えて珍しいなとは思ったけど、それだけの話というか。さっきも言ったけどこの二日間は至って「普通の水樹奈々ライブ」だったから、そのうちの一つって枠を出ない。それで東京ドームを盛り上げたのが凄いんだってのは何度でも言いたいけど、奈々ちゃんに特別な思い入れがない人にとっては二日間通しで参加するのは辛かったかもしれない。


○手厳しいですね
これが僕の水樹奈々を見るスタイルだからね(笑)GRACEに比べれば優しい言葉だし、何よりも今回は良い水樹奈々ライブだったと思ってるのは本当だよ。


○本編ラストが変わりました
Innocent Starter』になったね。この変更はまさに願いどおり。前日の『ETERNAL BLAZE』と合わせたこの「なのは」の2曲が水樹奈々をここまで押し上げる大きなきっかけ、潮目が変わった曲、だからね。これくらいの厚遇でもって東京ドームに使ってくれて、とても嬉しかった。


○アンコールで大きなオマケがやってきました
『アノネ〜まみむめ☆もがちょ〜』が来ることは予想できてはいたけど、この最後の最後っていうのが感慨深い。


○まさに、大暴れ
当たり前だろう?むしろなんで「もがちょ」で暴れないというんだ。俺の母なんて「もがちょ」全力待機でUO折ってソッコーでモンキーダンス、ブロック最速で踊ってやったと家で自慢げだったくらいだ。


○親子揃って大好きなんですね
だって楽しいじゃない。この頃にはもう、退団の意志が固まってて、「もがちょ」が僕にとっての卒業証書みたいに感じられた。だから悔いを残すことのないよう、精一杯にコールしたし跳んだし腕を振ったよ。


○もう後悔はない?
最初に言った通り、スッキリしてるよ。後悔なんてない。

○二日間を総括してください
自分の全てをぶつける公演、ということで並々ならない気合いで臨んだ。それがKINGの時は「これが最後か」って気持ちに変わって、一曲一曲が終わる度に最後に近づいて、感慨深かった。こうして自分の気持ちが漲ってる時は、公演がとても良く見えるし、楽しかったよ。僕の積年の想い・夢はここに成就された。こんな満足感でここを去れることを、とても幸せに思うよ。



○今後について伺います。もう水樹奈々ライブには行かないのでしょうか?
これだけ大袈裟なインタビューをしてもらっておいて悪いんだけど、これはわからないかな。水樹奈々が好きな音楽の一つだってことは変わらないし、また生で歌が聴きたくなったらチケットを買うかもしれない。ただ一つ言えることは、この10年みたいに「燃える気持ち」は出てこない。

○文字通り「見る」ために行くことはあるかもしれない、と。
そうだね、まぁ毎年アニサマでは会うことになるだろうし、そこで手合わせできれば十分じゃないかな。


○最後に、水樹奈々さんへのメッセージを。
言葉にするのは難しいな・・・。この10年、僕に様々な感情を与えてくれて、次々と凄いモノを見せてくれたからね、見守ることができて楽しかった。
ただただ、「ありがとう」ってことを伝えたいかな。


○お疲れ様でした。
ま、ぼちぼち「全曲レビュー」を書いていくから読みにきてほしい。