そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

nano.RIPE LIVE TOUR 2014「ハナアカリ」

「歌は感情の発露だ」と、どこかで誰かが言っていたのを聞いた。たしかゴスペラーズは、「求愛」という言葉で表していた。


きみコは自身の感情を暴発させていた。インフルエンザで大阪公演を飛ばしてしまった悔しさ、病床で抱いていた不安、今日を迎えられた喜び。気合い十分どころか、気持ちを出しすぎて生命そのものを削り出しているかのような。強烈だった。
「病み上がりだからってナメてんじゃねーぞ!!」って煽りが最高潮。ライブの気持ちよさここに極まれり。



そもそもnano.RIPEの楽曲がとてつもなくエモいときたから大変だ。
『痕形』がアルバムの中でも特にお気に入りで、めっちゃ"刺さる"ね、これがまた終盤の「明日が来るかわからないから」って文脈で歌われたらもうたまんねぇわ。思わず最前柵から目一杯きみコへ拳を向けて叫んでた。あっちからの投げかけに応えたかった。何をどうすれば良いのかなんて考える余裕なんてなくて、とにかくこっちにキテるぞと。
「次じゃねぇんだ、今なんだ」みたいなことをよく言うけど。教訓じみた理路整然としたものじゃなく、ドーンと塊のままぶつけられた感じ。家に持ち帰るまでもなく、その場でこの身に叩き込んでステージにぶつけ返した。その瞬間瞬間でやりたいことが違って、それを周りを気にせず(一緒に行った友人の様子すら視界に入らなかった)ぶち当てていく。見たい時は見入る。さすがにnano.RIPEの最前列じゃ飛ぶなんてことぁできないけど、それでも「上に行く」術はうまいこと見つかるもので。自由な発想というか、自分の欲求に対して最適なものを返す精度がここんところ上がってんなと。


すげー楽しかった。楽しかったし、次のnano.RIPEの機会は絶対に作ろうと思うし、しっかり生きてこって思う。
ワンマンだよなぁ。フェスじゃここまで出ねぇよ。