そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

最後の最後に"予想を裏切り、期待に応える"

アンコール。スフィアの4人が披露したアカペラの「Future Stream」は、俺とスフィアの3年半を締めくくった最後の1ページとなった。


「Future Stream」が投入されるタイミングは、ツアー序盤で既に予想がついていた。ファイナルの通常セットリストの2曲目と、加えてせいぜいダブルアンコール。いつもの通りでしょ、と。
戸松さんが神妙な顔つきになった時に、「お、解散か?」とヘラヘラした。俺と一緒に消えてくれるんなら、それは良いタイミングだってね。
「感謝の気持を込めて、ここで…」って言った時に、「そういうのじゃない、なにかやってくるぞ」と身構えたけどもう遅かった。
"もの凄いものを聴けた"と言うしかないんだけど、この言葉では全く表せていない。
「予想を裏切り、期待に応える」という素晴らしすぎることを、最後の最後、もう"スフィアファン"の看板を下ろすまさにその時に、やってのけてくれた。「まさか」と思わせ、潜在的に持っていた欲求を満たしてきた。これはもう、満足も満足だよ。
このツアーについては敢えて振り返る必要もない。この「Future Stream」を心に留めておくことこそ全てだ。

自分の中で下降線を辿り、もうダメだなと感じた。大阪でなぜ下降したのかの原因が見えて、その面については解決してスッキリはしていた。でも、しぼんでしまったまま終わるのは寂しいなと思っていたし、なにか最後にすごいものあればいいなとはどこかで願っていた。もっとも、そんな手札は残ってないだろうし、ダブルアンコールくらいじゃなびかないって達観していた。
スフィアが俺へ最後にくれた一撃は、大きな大きな思い出となって、刻み込まれた。今日、"大逆転勝利"を納めてくれたこのタイミングで退くことで、俺の好きな「強い強い、とても強いスフィア」で終われる。幸せなことだよ。


手向けの言葉くらい贈ってやるよって気で臨んだライブで、逆に重すぎる餞別をもらっちゃったよ。困ったね、もう。やられちゃったよ。
ありがとう。