そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

引っ越ししました ― 内山命生誕祭

足掛け6年と9ヶ月くらい。太かったり細かったり、上がったり下がったりしながら積み上げてきたこの期間の全てを「良かったよね」と額に入れて大切に保管しよう。

って話。


内山命推してます」って看板はもう実質的には外れていたようなものだけど、「言い切ってもいいよ」って自分に告げられるくらい、"まとめる"ことができた。


そもそもの話、「去年の生誕コメントがあって、その後の過ごし方があって、何で総選挙に出るの?」ってところでだいぶ終わっていたわけだけど、それでも11月が近づくと生誕祭のことが気になってきた。
「まだ好き」なのか、「好きでいたい」のか、わからないけど、引っかかったままではいたくないよねと応募したら当たったよ。
“呼ばれた”わけで、何かあるかもな・あれば面白いかもなと。
まぁ入場前は、漠然と手のひらを返すか否かくらい。やっぱり好きって言うのか、やっぱりダメだったなって言うのか。



劇場に入ったのは昨年の生誕以来。あれから応募もしていなかった。まぁ他で忙しかったのもあるし、気も向いてはいなかったし。
入場順は9順。上手の3列目の端から2番目に滑り込み。前のお兄さんが大きかったけど、ステージの端っこだから影響は小さかった。
4年連続の生誕だけど、いちばん良い席に座れたと思う。入るのすらなかなか大変だけど、前であればさらに嬉しいのは当然。
手元にあるキンブレは、橙&黄(内山命)と水&赤(惣田紗莉渚、そうですUNISON SQUARE GARDENの子です)。
前にこの二人が共演した公演に入ったのは昨年の4月。昨年の総選挙前だし絶好調に内山さんのこと応援してたけど、惣田ちゃんは「こっそり浮気」的な位置付けで遊んでもらっていた。
キンブレは橙&黄だけを振るけど、Tシャツはユニゾン着て惣田ちゃんにだけわかってもらうとかね。内山さんにはわからないね!!って感覚も楽しんでいたと思う。
昨年夏に惣田ちゃんいるけど内山さんいない公演で初めて水&赤を振って、昨年の生誕は惣田ちゃんが休んで、いよいよ今回は二人分持ったという流れ。
そこでどうなるか、どうするか、どうしたいかは自分の感覚に委ねようと。橙&黄も、水&赤も、やりたいようにやろう。



開演。
最初の4曲の間に、感じたこと。


まず、SKE48の劇場公演が大好きなんだな俺、と。
最近よくいくところ(敢えて名を挙げなくてもわかるでしょ)で「栄の風を感じる」なんて言っていたけど、段違いだったわ。代替できてねーなこりゃ、これだよこれってね。
そして一年の間に目に見えて成長(ビジュアルもパフォーマンスも)している子が多くて、こりゃすげぇやと。楽しくて嬉しくて、みたいな。
なんなら今日が最後の劇場ってなるかもとすら想像していたんだけど、どうやらそれはなさそうだ。
年一よりもっと行って良いよなと思う。毎年のように思っていたけど今日もそれは同様だった。物理的にも条件は厳しいけれども、他で代替できていない以上は行きたい時に行けるようにしような。


で、内山さんはどうですかって話なんだけど、雄弁なのは自分の目というか本能というかレーダーというかで。
公演始まってから、内山さんよりも惣田ちゃんの方を優先的に見ようとしていたのが、想定外で自分のことながら驚いた。。。。が。
それも当然なのかなと。総選挙のなんだかんだで内山さんへのモチベーションが落ちていた頃も、惣田ちゃんのことは在宅ながら変わらずチェックしていたし。5月には一回だけど2ショット撮りに行ったしで、堅調な推移をしていた。そして惣田ちゃん本人は総選挙30位など結果も出ていたし、よく発信もしてくれている。
内山さんとは下がってて、惣田ちゃんとは維持もしくは微かもだけど上げ基調で、それが今日の時点で遂に逆転していたんだと。こりゃ仕方ないなと。
内山さんを見て「ダンスの時の表情と笑顔が~」って良いところをあげつらおうとしていたのに対して、惣田ちゃん見つけて「はぁかわいいはぁ好き」って反射的にまず出てきて、去年までと入れ替わっちゃってるなと。
今日の生誕祭で、誕生日をお祝いして、それで締めくくってしまおうと決めた。
キンブレを持つ手も、水&赤を右手に持ち替えてメインで振っていた。
この時点で割と気持ちは整理できてすっきりしていたので、このまま終わってくれても「今までありがとう」っていう言葉を吐き出すつもりだった。

それがまぁ、この後おいしい感じになって。

MCで本人出題の「ウルトラスーパーみこってぃークイズ」があった。この時点でもう退く感じだったんで、出しゃばらず“現役”に任せようと思っていた。
三問目が「私の座右の銘は何でしょう?」だった。
メンバーは答えられなかった。まぁ客の誰かが、というか生誕委員が答えてくれるだろうと待ってたら正解がなかなか出ない。
みこと本人が「じゃあ正解を言うよ」って締めようとして、「それだめでしょ、寂しいっしょ」と挙手してしまった。左手、橙&黄。
みこと「わかる?」
俺「『夢は大きく、根は深く』!」
みこと「正解!!」
すごーいってなって、わーってなって、なおちゃんに「TO?TO?」って言われて、そりゃまぁ誇らしげにドヤ顔なんてしちゃって。
とか言いながら右手に持ってる色が水&赤なのな(さすがにこの時は下ろしていた)。推し変だか他界だかしてる過程でTO認定くるとか面白すぎでしょう。


今もプロフィールの「好きな言葉」に載っている「夢は大きく、根は深く」だけど、俺にとっても内山命ヲタとしてやってきた中で強く強く鮮烈に残っている言葉だ。




忘れるかよってね。
これをきっかけにしばらくは、楽しいとかより「この子のために」って熱くやってた時期だった。
途中で力尽きて他に行ってるときも、ちょっとしたきっかけで戻ってこれたのはこの時期の積み上げがあったからだと思う。原動力、財産、そんな感じだった。


それにしても、この言葉が今日この生誕祭で出てくるのかと。
そして、その言葉を俺が、見切りをつけていた俺が、答えちゃうのかと。
俺を本格的に内山命推しに仕向けたこの言葉と、内山命推しじゃなくなるタイミングで再会した。俺にしかわからないけど、俺にとっては望外の巡り合わせだ。
なおちゃんの「TO」って言葉が、定年間際に与えられた名誉職、一日契約での引退試合、卒業証書、そういった類に感じられた。公演いっぱい、ありがたく頂戴した。数十分のTO。

もっとも、このMC直後は「この後のスピーチで"可能性"を示してくれたら、一気に返り咲くかもしれない」なんてことも同時に考えるくらいには揺れたんだけど。
そりゃそうよね、通じ合えた感じしたし、まだまだ行けるかもしれない、てね。


そしてアンコール、生誕祭パートでのスピーチ。
後で見直して起こしておきたいところではあるんだけど、聞いたまま感じたままで。
・自分のやりたいことがさらに明確になってきた
・(相変わらず自分のことよりも他のメンバー・チームやSKEのことを気にかけている)
・辛かったこともあったけど、楽しさ・嬉しさが勝っていた20歳だった
・7年やってきて、自分のファンは家族みたいに思ってる
・その家族に素直になるのはなかなか難しい。恥ずかしい
・だから、これからも見守っていてほしい

こんな感じだったと思う。

"可能性"というものは感じなかった。ただ、それが悪いことだとも思わなかった。
内山命は自分なりのビジョンを持ち、スタンスができている。そこはきっと変わらない。
そのスタンスに賛同はあまりできないんだけど、ハッキリそう言われて「それじゃあそれで頑張りなよ」って思った。言っていることに対していちいち納得というか、腑に落ちていった。
こうして腑に落ちていること自体、俺がもう身を引いてることの証でもあるんだろうな。俺が変わったから受け止め方が変わったんだろう。
その「家族」よりも遠くから、見守るでもなくたまに見かけたりするような距離感でもいいかなと。
まぁ、「身」はもともとそんなに前に出てはいなかったか。
4年連続で生誕は入ってきたけど、「11月に生誕→パッと盛り上がる→年明けくらいまで握手会とか行く→春には落ち着く」みたいなサイクルが基本だった。2015年は落ち着く前にもう一山できて、夏まで続いたけど。

今後の距離感ってあまり変わらないのかもしれないなぁ、なんて思ったりもする。"落ち着いた春"でもSNS(あんまりやらないけど。これが問題だったけど)とかで動向は見ていたし、今のところはその辺を見向きもしない!ってことはないはず。
でもきっと、時間が経つと「めちゃくちゃ下火でも火を点けている」のと「火を消した」の違いが出てくるのかもしれない。


終演後。

万感の思い、ってこのことなのかな。よくわからないや。
これを書いている今でも処理しきれていない。
ただまぁ、ここまできれいに、予想だにしない理想の流れで、「これで終わりなんだな!」って思える締め方ってないのかなって思っている。
終わらせ方って難しいよなっていつも思う。何かしらネガティブな感情があって離れる気持ちになるわけだけど、それをポジティブにひっくり返した上で決心をつけるんだから。
「よくできた話すぎて、作れないよな」って思ったし名駅で飲んだ友人にも言われた。
ビールおいしかったね、胸いっぱいすぎておつまみ要らないんじゃないかってくらいだった。「こんなことある?ねぇ、こんな俺にしかわからない俺にとって最高の流れってある?」って感じで声量をまるで抑えられなかった。

やり残したことはたくさんある。
何も形に残るようなことできなかったし、最後まで見ていることも叶わなかった。
でも、今なんだと思う。もういい、嫌いってならなくてよかった。



「『引っ越ししました』って、推し変したヲタの曲だからね」

れ会の忘年会に初めて行った時に、そんな話をしたのを何故か今でも覚えている。
その年がまさに「夢は大きく 根は深く」の↑のツイートの件の頃だったし、 今日のこの公演の締めくくりにこの曲だしで、何から何まで繋がっていくねぇ。
今後、俺がこの曲のような心境になるかはわからないけど、そんなことを思い出しながらしみじみしていたよ。
"引越し先"がどこなのかもまだ決めてないし、まずはここの思い出をじっくり味わって、整えて、きれいに保管していこうかな。

細い路地の奥 赤い屋根の隣り
5階建ての古いマンションだけど
南西向きの大きな窓が 気持ちよくて決めた
ワンルームが4月からの僕の城

心の隅にあった思い出 すべて片付け
新しい家具 揃えて 生まれ変わるように