そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

「酒と音楽は合う」以上の享楽と予感と ― Hauptharmonie渋谷(10/26)

「渋谷CHELSEA HOTELで7ドリンク2,000円の対バンがあるよ」と、当日の朝にTwitterで見かけた。
水曜はノー残業デーで、前日に大変おいしい食事会があったから今日は酒の方だな~なんて思っていたタイミングでの報せだったので、完全にノリと勢いで行くことにした。

Hauptharmonie主催の対バン。そのツイートをしていた友人が推している(おそらく)アイドルちゃんだろう、ってくらいの認識しかない。人数も曲も何も知らない状態で、よく行ったものであるw
チェルシーホテルは昨年末以来。看板を見て、ほぉ新メンバーお披露目なのかと。なるほどその友人も名古屋から駆けつけるわけだなと納得。
開演10分前くらいに入ると、フロアには数十人くらいいたかな。スペースありつつ寂しくない賑やかさ。とりあえずビール。

対バンの3組は、バンド→弾き語り+バンド→バンド、と。あれ、アイドルグループ的なのじゃないんだね。本当に何も知らなかった。それがどうしたなかなかエッジが利いてて面白い。
一組目のロイジプシーはベースラインが楽しくて、あぁいいね酒が進むねと。
二組目のayumi melodyの弾き語りは一転して優しく、いいね酒がしみるねと。ここで一通りできあがって気持ちよくなっていた。物販でCDを買った。
三組目のthe Endはハーモナイザー使った特徴的なボーカルと手慣れたステージング。この辺でフロアも人が増えてきて熱量も上がりつつあった。


Hauptharmonieの前での転換で7D使い切って(ビール→焼酎→シャンディガフ→スクリュードライバー→ピーチフィズ→モスコミュール→帰り用の水、だったかな)、あとは聴いて終わりましょうってところ。で、始まったら一気に上がっていった。
まず曲に驚いた。あれなんかロックじゃね?と。
Wikipedia曰く「音楽性は90年代のUKロックや、スカ、アノラック、ポストロックなどの要素を織り交ぜたアイドルとしてはあまり類例のないもの」ってことでなるほどなんとなくわかる気がする。ロックの中でも俺の馴染んでる方。
心地いい音の渦と、フロアの興奮とで、酔っ払った高揚感を押し上げていってとても気持ちよかった。そしてフロアで楽しく遊んだった!
いやぁ勢いあったね。ちょっとした狂乱(に感じたのは俺の酔いもあるか)でこりゃいいねと。
本編中の5,6曲の曲名なんて認識できてないくらい飲み込まれていったな、アンコールの『パラレルワープ』が好きだなってのは覚えていた。
終演後にフロアで「始まった!始まった!!」って言ってたのはまぁちょっと信用のある発言ではないけど、それだけ楽しかったってことでひとつ。


終演後物販。
公演中に「チェキ撮りてぇなぁ誰にすっかな」と見てたら新メンバーの子が自分のフックに引っ掛かってきたのでよしその子にしようと。
ここからが初現場の酔っぱらいのプチ珍道中。購入列で後ろのお兄さんに「初めてなんすけど、一枚いくらっすか?」→「1,000円ですよ」あざっす!
物販にたどり着いてスタッフさんに「ここ初めてなんすけど、チェキ撮りたいんですけど、どれ買えばいいすか!!!?」→「じゃあこれを~」あざっす!
チェキ待機列でおじさまに「髪に飾りふぁさ~っと付けた新メンバーの子の列ここで大丈夫ですか?」→「すいちゃんね、合ってますよ」あざっす!初現場の上に酔っ払ってもうわかんなすぎます!!→おじさま苦笑

ということで、お披露目された新メンバーの一花寿(ひとはな・すい)ちゃんと撮ってきました。
すいちゃん「ハウプトのオタクなの?」
サイド「いや、安く酒が飲めるって聞いて来たから、ここにいる人も、曲も、何も知らない」
とか。楽しかったの伝えつつ、チェキに名前書いてもらう時に「なんでサイドなの?」って聞かれて答えつつ。
すいちゃん「これから通う?」
サイド「待ってる間にTwitterで友達からスケジュール情報送られてきてるから、どこかしらでまた行くと思うよ!」
酔っ払いを転がしてくれてあざっす!


後日タワレコでアルバム2枚を買って聴きまくってる。イントロでやばい勝てる!って曲が多くてとてもいい。
ライブへのイメージも膨らんできてまた行く方向にもなってるし、ただただ聴いてて楽しいのもあるから日々の音楽ライフも向上させてくれそう。
良い出会いができたな、と思う。

せーので飛び越えよう ― nano.RIPE「ルミナナリー」渋谷WWW(10/23)

「歌は感情の発露」とはよく言われていることで…という出だしで書きたくてたまらない、nano.RIPEのワンマンライブ。
ベースのアベノブユキさんとドラムの青山友樹さんが年内で脱退すると聞いて、最後にもう一回は見ておきたいということでチケットを確保した。そしてアルバム『スペースエコー』がリリースされ、4日間聴き込んで臨んだ。

アルバムがリリースされた週の土日にツアー初日というのは、気持ちはかなりきれいに入れるけど”曲のインプット”の面ではかなり厳しい。全曲を聞くことはできても、自分の中にしっかりと落とし込むのはなかなかできない。
そんなわけで、一周目で特に印象的だった『日付変更線』と『イタチ』を重点的に聴いて歌詞を読んで臨んだ。
曲調は静と動で対称的だけど、見えてくる世界は同じように感じた。「程よく病む(ライブ中のきみコさん談)」イメージ。こういうnano.RIPEが大好きだ。

そして、まるでnano.RIPEのライブに合わせるかのようにして、俺自身が闇を抱えていったのもまた一興だった。
なんなんだろうね、順調な立ち上げから一転。” #ふぁっきんsnow”を引き金に、そこに至るまでに積もった閉塞感と面倒くささが弾けた状態だった。
まぁ、nano.RIPEのライブ前としては理想的に病めたわけだw

直前の購入だったから入場は最後の方。ビールを飲んでフロアへ。
渋谷WWWは何段かのフロアになっているので、各ゾーンに意図を持って立てる。見やすさを求めて早い番号でも後ろ(上)に行く人もいるおかげで、最前ゾーンに余裕があって入り込むことが出来た。


割とセットリストの話を奔放にしていく。




開演。過去のnano.RIPEでは、きみコさんの表情を見ることありきでポジショニングしたけど、今回はベースとドラムをまずは中心に。ちょっと上手寄り。
『ルミナリー』で、アベさんの笑顔と友樹くんの真剣そのものな表情の対比とか、『なないろびより』あたりで友樹くんが穏やかになったのとか、あまり見ないところ見ておぉと感心。
「友樹くん」って呼びたくなるような、そんな細くて優しげな人が熱を帯びて叩くドラム。熱が、感情が伝わってくる、nano.RIPEらしさを感じた。
アベさんとはコーラスで仲良く歌った。俺は下めに取りたいから、アベさんとメインボーカルのきみコさんと合わせて和になれたらいいななどと思いながら。

重視していた2曲のうち、『日付変更線』が序盤にやってきた。
まだまだ深い奥底に境地があるんだろう、もっともっと進んで行きたいと思った。ただ、このライブで潜り込めたようにも思う。
自分の感覚・感情に問いかけ続けて、寄り添ってくれる曲。

軸足はぼくに預けて 右 左 未来 過去 今
よそ見ならしたいだけしてよ ぐるっと巡り巡ってゼロだ

引用していったらキリがない、まるごとのメッセージがとても好き。


中盤までは割とバラードが多くて、きみコさん自身も「ちょっと焦らしてる」とも言ってた。
土曜と日曜でも曲の入れ替えが多めだったようで(調べてないけど)、行った日曜がかなり俺の好きな曲たちだったので、とても良いタイミングで行けたなと。
後半はめっちゃ激しく。山場として『イタチ』が投入されて、音と渦の中でも「変わりたい?変われない?そんなことはないのか?」で頭抱えながら「ぼくはどっちだろう」ってなって思考の迷路であわあわしてそんなのが最高に楽しくオタクしてるなって。
これよ、nano.RIPEは一緒に病むライブよ。きみコさんも言ってたよ、「病んでる私の曲に共感してくれた皆も少なからず何か抱えているんでしょ?」的なことを。あぁその通りだよしょうもないことで拗らせてるさ!

『リアルワールド』に入るときの「お待たせしました、クソみたいな現実をふっとばす時間です!」って煽られて、嬉々としてタオルぶん回して、もみくちゃになりながら俺なのか誰かのなのかタオルが当たって、現実じゃなくてコンタクトレンズがふっ飛んで、でもそんなの別にどうでもいいやー!!ってなってタオルぶん回して叫び続けた。
この曲に限ったことじゃないんだけど、nano.RIPEのライブは客の志向がシンプルでやりやすい。前にいる人ならある程度もみくちゃになるのは織り込み済みだし、そこで過剰に前に割ろうって感じでもないし。
あぁそうか、みんな良い感じに病んでるからリズムも合うのかなw

その後、『ツマビクヒトリ』でガンガンにぶち上がって、『こたえあわせ』で今の課題の突破口というか「そんな問題じゃないじゃん」ってところがわかって、『ハロー』で涙が止まらなくて、『影踏み』で大団円と。
めちゃくちゃ楽しかったし、めちゃくちゃ揺さぶられた。揺さぶってくれた。nano.RIPE、きみコさん必要だわ俺には。


12月25日にもう一回、この4人で東京でやってくれると。絶対に行こう。
そしてこのツアーをもう一回、博多に行こうかどうか積極的に検討するとしよう。

今日が昨日に変わるときにつなぐのは指ではないと知れば
どんな夜もぼくらを離せないから見えない線をイメージして
せーので今飛び越えよう

向かうところ敵なし、空飛ぶボルヴィック ー LiSA沖縄

LiSAのツアー追加公演が沖縄、ミュージックタウン音市場。
この報を知って、あぁ楽しく旅行するしかねーな!って思った。
ここ二年くらいそんな話をしていた友人に呼びかけて、のってくれて、計画して、わくわくして、当日がきて、楽しい旅であった。
キューバダイビングとか、パラセーリングとか、食いだおれとか、楽しいことがたくさんあった!充実した二泊三日だった!!!(おかげでその翌日から地獄のように働き詰めたw)


ライブ行かなくてもいいかななんて思うことすらあったけど、まぁ入場してさ。
さすが沖縄でワンドリンクにオリオンビールとか泡盛があって、じゃあオリオン!ってことで入れて準備OK。
フロアに入ると、人と人の間隔とれて全体にいた。満員ではないけどガラガラでもないみたいな。するすると前に行って、ギターCO-Kさん前4列目くらい。


セットリストは割と入れ替わってた。
そんな中でも、『Day Game』のベースが始まった時にタガが外れた。
コニファーで“奉納”した気でいて、もう二度とないかなと思ってたから驚いた。それ以上に嬉しくて嬉しくて嬉しくて、スイッチ全部入れて全力全開!!みたいな感じで。
スペースがたくさんあったから、ひさびさに上へ上へと跳んだ。気持ちよかったね、今どきそういう志向が少ないからだろうけど「制空権とった!!」瞬間だった。
差し替えで『She』とか『L.Miranic』がセトリ漏れしたわけだけど、そのおかげで死なずに済んだというか、『Day Game』で完全に使い果たして後はヘロヘロだったw

本編ラストの『Hi FiVE!』は二重扉の間で座り込んで聞いて、アンコールは外で泡盛を飲みながら。打ち上がった鯨のような放心状態だった。



9月に一つ立ち上げた俺だけど、連載しまくった俺だけど。
作ろうと思って作ったサブ枠と、衝撃的に始まってからずっと王座戦線にいて今や絶対王者なLiSAとじゃ、俺の気持ちの高まり方がまるで違うなと、引き上げてくれる世界が違うなと、まざまざと思い知った。
「友人との旅行がなければ、沖縄をキャンセルして“そっち”の単独行く可能性があった」なんて事前には思っていたけど、とんでもないことだったよ。『Day Game』だけの問題じゃなく、俺の中の立ち位置を読み違えちゃあいけない。


いやぁ、何やってくれてもめっちゃ楽しいわLiSA。