そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

AKB48 浅井七海卒業公演

2023年5月14日に劇場公演で浅井七海さんを初めて見てから、たった8ヶ月である。
あまりにも短い期間で、推しなんて言えたものではない。
それでも、彼女を通して見た景色、感じたものは素晴らしかった。


自分にとってなーみんの一番の魅力は歌声。
アイドルの夜明け』公演ではユニット曲の『片思いの対角線』でのソロパートで、伸びやかな声が心地よかった。
興味を持ち出してから程なくあった「AKBグループ歌唱力No.1決定戦」のファイナリストLIVEで、優しさと包容力に満ちた歌に心を掴まれた。
自分の人生における"ツートップ"が力強さと切れ味を売りにしているので、そこを補完するかのような立ち位置にスッと入り込んできたようだった。

スクールアイドルミュージカルでは、主人公ルリカの親友ユズハとして、揺れ動く切ない心情を『親友』で表現していた。
ハーバーランドでのシーン、ルリカを支えるべく現れて歌う『君と見る夢』の「いつでも全力の君を助けるから」は慈愛に満ち溢れていた。

卒業発表後に自分の気持ちがざわついて(早すぎて困るみたいな感覚だった)、その後の武道館コンサートでの『君は僕を覚えてるかな?』『青春ダ・カーポ』で、この歌声はやはりまだまだ聞きたいと思わせてくれた。


11月に初出演した『僕の太陽』公演。
ユニット『ヒグラシノコイ』を最前列センターで聞き惚れた。
自分のイメージというか期待していたユニット曲嬉しかったし、その歌声もまた期待にしっかり応えてくれていた。
この日が最後の『僕の太陽』公演になる覚悟もしていたけど、卒業公演にも入れてよかった。

すっかり好きになった歌声も、長身と長い手足を活かしたダンスも、ゆるっとしたトークも、真摯なスピーチも、全て受け止めてきったと自分では思っている。

そして受け止めるだけでなく、こちらからも精一杯の気持ちを届けようと、なーみんの名を呼ぶ自分がいた。
これは抽選入場前に企画の実行委員の方がしっかり火をつけてくれたおかげだと思う。アンコール口上も素晴らしかった。ありがとう。



抽選にも恵まれ、上手の最前列に座れた。
座ってから気づいたのは、2019年5月の記憶。
内山命ちゃんの卒業公演もまた、上手の最前列だった。
「いつか見た景色だな」と、不思議な縁を感じた。そして、公演中に『デジャビュ』を聞きながら歌詞に自分を照らし合わせて物思いにふけった。
またどこかで同じ景色を見るのだろうか。見るのかもしれない。


しかしまぁ、叫び続けた。
コールが全てではないと普段は主張しがちなくせに、なーみんが最後のSHOWROOMで望んでいたこともあって今日はとにかく叫んだ。
めちゃくちゃやるじゃん、気持ちしっかりあるじゃん自分。なーみん推し名乗ればいいじゃん自分。
活動最終日にしてようやく自認する。


なーみんは今後も芸能活動を続けるようで。
自分が好きな歌声を聞ける機会が増えるような道だと嬉しいし、もしそれが叶うならアイドルでい続けるよりもむしろ楽しめるかもしれない。
そんな期待感も、自分の中でうっすらと芽生えている。
「もっと早く見つけていれば」の悔しさも、今後に繋げるエネルギーにしていければと思う。

公演中、『向日葵』『夕陽を見ているか?』『僕の太陽』で涙が溢れた。
なぜ泣く?と自分で不思議にも感じたけど、「未来志向で行くぞ」ってマグマが噴き出したのだろうと今は考えてる。


『青春ダ・カーポ』を日本武道館で聞いた時は、「この曲を卒業発表したこの状況で…」としんどい気持ちが強かった。
今は"次"へ淡い希望を感じているから前向きに受け取ろうとできつつある。まだ完全ではないけど。

「もう一度やろう さあ初めから」
「頬の涙 拭ったら微笑んでみようよ」


というわけで。
浅井七海さん、またいつかどこかで。楽しい未来を待ってるよ。