そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

その7 LiSA東京〜手にした戦術と戦略

LiSAのライブが何が好きだったかって、激しい煽りと勢い。本能のままに行って、何もかんがえず。時には「LiSANTALAND」のように不発に終わることもあって、そこはまぁ受け入れておかなきゃならんだろうなぁと思ってた。


で、今ツアー「best day, best way」ですよ。なんなんですか、公演単発で見てもツアー全体で見ても物凄く練り上げられてるじゃないですかっ。

  • 各公演のセットの流れ

よくメリハリが効いてて、もうコレだけで満足だよw 「I'm a Rock star」から「永遠」まででゴリッゴリに押し込み、「変わらない青」「いつかの手紙」のバラードで聞かせ、以降は明るく楽しく激しく。
俺は前半ブロックが好きで、いつでもどこでもいつまででもボコボコに攻め込んで欲しいんだけどさ、ANIMAXの番組で「どの自分も見せて行きたい」ようなことをLiSAが言っていたしそれを体現するようなしっかりしたセットだったのでOKというかメッチャ良かったので、繰り返すけどこのセット構成を組んだだけで満足。
ひとつの公演をつくり上げる、戦術面での向上が見えたツアーだった。

  • 3つのセット

6公演を、「川崎セット」「地方セット」「東京セット」で行ったんだよねぇ。川崎と東京は共通で行くと思ってたので嬉しい驚き。
地方セットは、「エスケープゲーム」でみんな仲良くやろうぜ!ってのがテーマ。ご当地ネタをここでガチっと仕込んで、客を引き込んでいきましょうと。アンコールの「Crow Song」も名刺代わりみたいなものでね。
そうそう、川崎と東京では「Crow Song」やらなかったね。東京では「Little Braver」をやって、川崎ではガルデモ曲なし。ガルデモに頼らずとも、ライブを組み上げられるようになったことは、今後を考えても非常に大きな収穫でしょう。


そして、ファイナル・東京でのセット変更は、素晴らしいの一言でしょう。
約1年ぶり(LOVER"S"MiLE名阪)披露、そして関東では初の「now and future」が始まった瞬間の会場(俺のいた最前ゾーン)の点火っぷり、テンションの上がり方。どれだけ待たされていたか、焦らされていたか。溜まりに溜まっていたモノが発散される快感。これだけで東京公演は称賛できる(前方の音響が死んでてボーカル全然聞こえない現象だけは忘れないけどw)って話。単に「now and future」を差し込んでくるわけでなく、後半に使っていた「妄想コントローラー」を3曲目に持ってきて「今日はいつもと違うよ!」と示唆させたのも実に巧妙。俺は「妄想コントローラー」のイントロ聴いてから、予感がしてドキドキしてたw んで、「前半いじってスライドかけたからついでにコッチも入れてみました」ってスナック感覚で「confidence driver」も後半の掴みに持ってきちゃうし、やり過ぎです(絶賛)
ツアーファイナルの特別感の演出、たまんねぇな!
もう1曲、東京はありましたね。これがもう、ツアー全体の戦略の象徴。

次のライブの発表って、ファイナルで行うってイメージが強い。そんななか、LiSAは初日の川崎で、来年1月の日本武道館公演の開催を発表した。そして、各会場で、LiSA自身が武道館公演の告知をしていった。
こうすることで、このツアーは「日本武道館へ向けた全国行脚」って側面が明確になったわけで。「今日きて楽しかったらみんな、来年の武道館きてね!」ってメッセージを各地で発信してきたと。
良いね、こういうのすごく良いね。現状でZeppDiversityを東京会場としてるLiSAが半年後に日本武道館を埋めようというなら、日本全国からファンをかき集めなきゃならない。これを理解し、じゃあ告知して周りましょうって動いてるのはとても好感。ツアー後に行われる、47都道府県のプロモーション企画も、Road to 日本武道館も良い流れだよなぁ。


そんな全国行脚で、(俺が行った川崎・福岡・名古屋・東京では)LiSAが話したこと。
"迎えてくれるファンのおかげで、信じてくれたおかげで、日本武道館に立つことができる。"
その想いを、ファイナルの最後の最後に爆発させたのがアンコールの「Believe in myself」だった。これはもう、出来過ぎだよ。
武道館の発表してからさ、歌われてはなかったけど話の内容からどうしたって意識してたもんさこの曲のこと。「まさに、"いつか想像してなかった朝も僕が掴みとるよ"だよなぁ」とか思いながら帰ってたもん。絶対、この意識づけは狙ってただろう?巧すぎるだろうw


セットの変更、ファイナルへの繋ぎ方、ツアー前にはなかった日本武道館を仕込んだツアーコンセプト。実に、素晴らしく作りこまれた、戦略的なツアーだった。
これ、今までのLiSAには全く感じてなかった要素なんだけどさ。。今年から優秀なブレインでも加わったんですかね?w


と、ゆーことで。
単なる暴れん坊だったLiSAが、日本武道館アーティストという箔をつけるのに相応しい存在になっていったツアーだった。。。というのが俺の総評っすかね。あとはキャパをしっかり埋めるところ。ここはもうプロモーション頑張ってねと。ココ読んで興味もった人、サイドさんの太鼓判で良ければガンガン押してるのでぜひチケット取って欲しいw


もうさ、「ただただアバレられれば良い」って気持ちで行ってたツアーで、ここまで分析できた時点で大きな変化であり、LiSAの大勝利なんですよ。