そしてオタクは続く

一歩踏み出す勇気

最後の推し事の期間で聞いた音楽の話その3(完)

5月上旬、最後の握手会が終わって、劇場最終公演の日程が見えてきて、いよいよ内山命ちゃんが舞台上からいなくなることが現実味を帯びてきた。
この頃の自分はというと、卒業発表直後とはまた違った意味合いで気持ちが乱高下し続けていた。

「その2」で挙げた2曲を原動力に、この時の自分がイメージした最高の画を描くことができたように思う。
ただ、この最高の画、見方を変えると「とんでもない呪いを自分にかけたな」と思えてもきて。自分をどこに向かわせようというのか、みたいな。
「これが自分にとっての最良の締め方だ」って気持ちと絶妙に同居できるようなバランスというか、物事を表から見るか裏から見るかの違いしかなさそうな感じだから厄介だった。

この頃にはもう、オルゴール(②)は手元にあって、お花(③)も注文が終わっていて、残ってることといったら卒業公演を待つくらいだった。
そうなってくるともう、来るべき日をどんな気持ちで迎えるか、どんな気持ちで迎えたいかを思考し続けていった。

そしてこの時期にはもう、こういう感じのブログ書くぞってノリもできていた。
気持ちが乱高下する中、ネガティブに入った時は「その1」で挙げた曲たちでも十分に持ち直せたと思う。けど、「このフェイズならもっと相応しい曲があるはずだ…」と考えて、じゃあ曲を探してみましょうかって感じになった。

「さぁ頑張っていこう!」っていうその1の頃とはまた違って、「じゃあ卒業の後、どうしていきますかね?」って問いかけに対してどう答えていくか、みたいなのがポイントになっていった。

・『My Graffiti』水瀬いのり

My Graffiti

My Graffiti

『約束のアステリズム』に続いて、水瀬いのりさんの3rdアルバム『Catch the Rainbow!』から。俺のために4月リリースしてくれたんですね、ありがとう!みたいな。
リリース後からアルバム全体を周回して聞いていたんだけど、不思議と最後の握手会の後に強く響いてきたんだよな。聞く自分の意識がフィルターになってるんだなと知る。

自由な色 自由な筆 自分だけの自由なルールで 私という絵を描こう
(水瀬いのり『My Graffiti』 作詞:多田慎也)

この段階に来てやりたいのは”自分を肯定する”ことだった。
やりたいようにやろう。大丈夫だよ、呪いなんかじゃないから。

もうちょっとアグレッシブになると、水樹奈々さんの『サーチライト』がハマっていった。
奈々ちゃんのポジティブなメッセージは基本的に「夢はかなえるものだ、頑張っていこう!」という力強いものが多い。
「人が想像したものは実現できる」と言っていたウォルト・ディズニーさんに通じるものがある。気がする。

「0の可能性を1にするのは 小さな勇気と笑顔さ」
少年が口ずさんだ あの詩が胸弾ませる
(水樹奈々『サーチライト』 作詞:水樹奈々/藤森真一(藍坊主))

サーチライト

サーチライト

せっかく、将来の可能性を自分の手元に置いたんだ。自ら折れちゃもったいないよね!
って方向を見つけ出せる、まさしくサーチライトとして今後も活躍してくれれば。

他にもディズニーシー15周年のショー『クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー~シャイン・オン!~』の音源とかめっちゃいいね。
「When your heart makes a wish, then the world's in your hands」のところ聞いてハッとしたもの。好きなショーだったけど、込められたメッセージに改めて救われるような気持ちになった。


そんなこんなをしながら、TBSチャンネル「ゼロポジ」の2期生沖縄ロケを見ていた。

沖縄いいなぁ、行きたいなぁまた。
沖縄料理を食べながら飲むお酒がまたおいしいんだ。

ん、沖縄…。

お酒…。

卒業、終わり、”旅の終わり”…。

あ、ある。それ、あるよ。


・『1999年、夏、沖縄』 Mr.Children

NOT FOUND

NOT FOUND

1999年、夏、沖縄

1999年、夏、沖縄

ここにきて「人生で初めて買ったCDは誰のCD?」の答えのミュージシャンに至るんだねぇ。よく出来てるねぇ、よく見つけたねぇ。
ゼロポジで沖縄ロケやる発表あった時とか、「そのうち行くぞ」って漠然とは思っていたけど、これで行く決心がついた。
というか、卒業後なるべく早くに沖縄に行ってこの曲を聞きながら海でも眺めないと、こりゃ終われないなって気持ちになった。
そしたら早いね、マイルで行ける日程を見つけてホテル予約して、態勢はすぐ整った。

そして99年夏の沖縄で 取りあえず僕らの旅もまた終わり
(Mr.Children『1999年、夏、沖縄』 作詞:KAZUTOSHI SAKURAI)

このくだりを沖縄で聞くのが目的の旅ってなかなか自分らしくて好き。
2019年、ちょうどこの曲の世界の20年後でちょっと語呂が良い。めっちゃ梅雨だったけど。

誤字ってるし。

「最後の曲が終わり 音がなり止んだ時 あぁ僕はそこで何を思ったのだろう」の部分も、卒業公演を迎えるまでの間にいろんなことを考えさせてくれた。
オタクとしての原点すら越えた”紀元前”みたいな場所からも引っ張ってきて、ますます集大成!って気分で5月30日を迎えることができた。

そして、Mr.Childrenへも意識が向いている状態で『My Graffiti』を聞いていて、もう一曲これってのが出てきた。
水瀬いのりさん、俺の記憶を開けがちの人になるのか。


・『Any』Mr.Children

Any

Any

Any

Any

この曲、高校の同級生がめっちゃ好きだったなぁ。
15年以上の時を経て俺にも刺さったよ。

ネガポジの切り替わりも、いろんなところ巡り巡るのも、それが自分の道なんだなぁ。ってことで。
なんやかんや回って「やりたいことをやる」って普段の自分のスタンス最強じゃんみたいなところでまとまりそうというね。
これまでと違うのは、理想の完成形が見えていること。「これができたらいいね」って夢(って言えばいいのかはわからないけど)が、一つできたのは大きいと思う。
長期的にはその理想形を追いながら、さしあたっては目の前にある楽しいこと・ワクワクすることを掴み取っていければなと思った。
これを書いてる6月はまだ気持ちが立て直せてないけど、そろそろ再起動といきたいね。

今 僕のいる場所が 探してたのと違っても
間違いじゃない いつも答えは一つじゃない
何度も手を加えた 汚れた自画像にほら
また12色の心で 好きな背景を描きたして行く
また描きたして行く

そのすべて真実
(Mr.Children『Any』 作詞:桜井和寿)